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アウトソーシング会社、税理士/社労士などの専門家を選ぶときの確認ポイントと注意点

4つの確認ポイント

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4つの注意点

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4つの確認ポイント

確認ポイント1:料金に含まれる各作業内容・工数を具体的に説明出来るか?

アウトソーシング会社・専門家を選ぶときの要確認ポイントと注意点_画像1

専門家やアウトソーシング会社を検討している場合、最初に、『自社の実態をきちんと伝えた上で、本当にそのコストでできるのか?』をしつこく聞いてみてください。(それで面倒がられるようであれば、あまりお勧めはできません。)

ある程度は仕方のないことですが、基本的にネット広告やホームページの目出つ部分に記載されている『〇〇円でできます!』というのはあらゆる前提を無視した最安値であることが多いです。
問題はその『過度なアピールの程度』で、ひどい場合だと3倍、4倍どころかそれ以上になる場合もあります。(金額を見て明らかにおかしいな、と思うものはその可能性を疑った方がよいでしょう。
(『1,980円~』などの値段設定は世の中の最低賃金などを考えれば非現実的な価格だとおわかりになるかと思います。)

そもそも、記帳代行など経理・会計関係の業務は、料金表・単価を出すのが非常に難しく、よくありがちなのは「仕訳1本あたり〇円」というパターンや、「売上・従業員が〇~」というパターンですが、これらも精度が低いためにアテになりません。例えば、同じ仕訳1本であっても内容によって必要な工数が10倍以上変わるときもあります。

そのため、あまりにざっくりとした価格表が設定されている場合は、なぜその価格になっているのかを詳しく質問してみてください。専門家・業者側としては引き受けた後で『思った以上に大変だった』場合、赤字になってしまうことを避けなければならないので割高に設定する動機がはたらきやすいのも当然です。

つまり、しっかりと練られた料金表以外の価格設定・料金体系は、シンプルであればあるほど慎重に判断した方がよいでしょう。

次に注意すべきが決算料・顧問料というブラックボックスです。直感的にもおわかりになるかと思いますが、「決算料は毎月の費用の〇か月分」、「決算料は売上の規模に応じて」というのは極端にざっくりとした計算方法です。
信じられないかもしれませんが、売上5億円の会社よりも1億円の会社の決算の方が大変だったということはそれほど珍しいことではないのです。よって、こちらも雑な料金体系に関しては慎重になる必要があります。

さらに、顧問料は「定額で月額〇万円」と記載があったとしても、毎月顧問料の中身がきちんと定義されていなかったり、決算申告料やら経営指導料がまとめて含まれているといった程度の説明で、何をしてくれるからいくら払う、といった内容が不明瞭な専門家の事務所も残念ながら散見されます。
その結果、経営者の方から「毎月の記帳は自社でやっていて、毎月相談しているわけでもないのに、月額課金が発生している」、「経営指導・訪問料が入っていると聞いているが最近は訪問の頻度が落ちてきたり、アドバイスを受けることも減ってきた」という話が出てきます。

広告やホームページでは、『〇万円~』と記載されていても、細かく見積を取ると全く異なった多額の費用の見積り提示を受けたり、実際に業務委託が始まってから業務量が増えたことを理由に当初説明を受けていなかった追加料金が発生したり、といった話が尽きません。
「それなら、別の専門家や業者に代えよう!」と思っても、決算直前のタイミングでは実質代えている時間もなく継続せざるを得ないといったことも起こります。

もちろん顧問料の全てを否定するつもりはありません。先生の中には非常に良心的な価格設定をされている方もいらっしゃいますし、上手に専門家を使いこなしている企業は、毎月、何らかの依頼をしたりしています。
また、税理士事務所・社労士事務所の中には記帳代行や給与計算などを超低価格で引き受けている代わりに決算料や顧問料を高く設定しているという場合もあるでしょう。
あくまでもマルナゲカンリとしては、そうしたブラックボックスやサービス内容の偏りをなくそうというポリシーで誰にとってもわかりやすく公平な金額を設定しておりますので何でも質問してください。
いずれにせよ、料金には何の作業が含まれるのか、どうしてその金額になるのか、については明確に追求し、説明を受けてから契約に進むことをお勧めいたします。

確認ポイント2:対応可能な業務範囲は本当に充分か?必要な部分のみ委託できるか?

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対応可能な業務範囲については、アウトソーシング会社(オンラインアシスタント・リモートアシスタント、記帳代行会社と名乗る会社も同様)と、いわゆる税理士事務所・社労士事務所確認するポイントが異なります。

まず、アウトソーシング会社ですが、必ず知っておくべき重要な点として『士業独占業務』の存在があります。日本では限られた有資格者である税理士や社労士等の専門家のみが実施を認められた業務が定められており、無資格の者が行うことは違法行為として処罰されます。
にもかかわらず、一部では資格が無いのに代行していたり、グレーなことをしている会社があるので(ニセ税理士ニセ社労士となるため)、注意しましょう。中には専門家の名義を借りて不正に税務申告・届出を行っている会社も存在しています。

また、あたかも『どんな業務でも実施できます』と広告を打ちながらも、「その業務は専門家業務なのでできない」「専門業務でなくともその作業は特殊なので弊社では取り扱えない」等、実態は管理・事務業務の一部を代行しているだけであったり、「独占業務は出来ないので提携事務所を紹介する」といって業務を横流ししている(場合によっては紹介料をとっている)業者もあります。

そのため、大半のアウトソーシング会社は税理士法人や社労士法人などを母体としていなかったり、場合によっては有資格者すらもいないため、記帳・決算・税務といった作業を一貫して出来ないにもかかわらず、広告には「窓口一本化で~」と書かれ、まるで全業務対応可能なように見える場合があるので注意しましょう。
なぜならば、アウトソーシング会社が作業した決算書を使った税務申告であっても税務調査が入った時に彼らは立会うことが認められていなかったり労基署の調査に関しても同様にかかわることが出来ないので、自分達が携わった作業であっても責任を持って最後まで見守ることが出来ないためです。

記帳・決算のように無資格でもできる仕事を外注し、作業結果を税理士に見てもらうことも可能ですが、税務申告は決算作業結果を使うため、自分で作成した作業でなければ、再びチェックが必要になり、コストがかさむことも頻繁に生じます。

次に、税理士事務所・社労士事務所に関してはプロフェッショナルの士業なので、上記のような問題は原則発生しません。ただし、基本的には税理士事務所(および一部の社労士事務所は)、アウトソーシングのような仕事は、利益率の観点や、スタッフ確保の観点から引き受けていない場所も多いため、幅広い業務は期待できないでしょう。

記帳代行・給与計算程度であれば一部の税理士事務所は、顧問契約をすることを前提にアウトソーシングを受託している場合もありますが、支払代行や立替経費管理、経営管理などまで幅広く対応している税理士法人はほとんどないかと思われます。

いずれの場合も、どんな業務を委託したいのかを明確にした上で、その業務を委託先が本当に実施できるのか確認しましょう。
もし何をどこまで委託してよいのかわからなければ一緒に委託業務内容を整理してくれて、本当に必要な業務だけを部分的に請け負ってくれる、そういった外注先を見つけるようにしましょう。

確認ポイント3:返事は早いか?夜間や土日祝日でも本当に対応できるか?

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新興の若手事務所やアウトソーシング・代行会社のホームページや広告には、「チャットだから便利」、「チャットで即レスポンス」といった記載がされたホームページ等がありますが、本当にそれだけで安心して良いかどうかは慎重に判断する必要があります。

そもそもチャットだからといって本当に返事が早いのかどうかは確認が必要です。実際には「営業時間外は対応しない」ため、すぐに相談したくてもできないことが多く、週末を挟んだりする場合は返事が遅い、といったことが往々にして発生します。
また、電話と比べるとチャットだとコミュニケーションが難しくもどかしい気持ちになることもあるため、『チャットしか基本的に認めません』という場合も慎重に判断しましょう。

また、顧客からの報酬額に応じて返信スピードを変えている、顧客をランク付けしてやり取りの方法を変えたりしている場合もあるので、一部の優遇される会社にとっては返事が早かったとして、自分の会社にとって本当に早いかどうかはわからない、といったこともあります。
むしろその場合は、『この料金プランだと、〇日以内に返事をします』と明記されている方が良心的かもしれません。

また最近は「AIやITを活用して相談対応」等のアピールも目にしますが、本当にチャットボットAIで全て解決するならば、専門家に聞く必要などはありませんし、そもそもこれだけ世の中に税理士事務所や社労士事務所は存在していないと思われます。
相談に対してロボットが自動返信しているような場合、本当にロボットの回答を鵜吞みにしてよいのか?そもそも回答に間違いがあった場合はきちんと責任を取ってもらえるのか?といった大事な部分は必ず確認してください(大体そういった会社は〇〇の場合は自己責任になります、と注意書きがあります)。

AIやITは確かに効率化にとって重要なツールではありますが、手段は目的にはなりません。
単に業者が自分達のコストカットをするための理由付けであったり、難しい言葉を使ってアピールするためのカタカナ用語を鵜呑みにしないようにしてください。

確認ポイント4:経営者目線で節税アドバイスや事業アドバイスが出来ているか?

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(そもそも節税相談などは税理士の独占業務ですが)ありきたりな節税アドバイス・経営アドバイスだけならば、最初の1年はまだしも、長い目で見たときに事業が成長・変化していく際に必要となる視点としては不十分です(それ以上に、巷にあふれている様なテクニックであればすぐにネタが尽きてしまうし、経営者からすると「そんなの知っているよ」と感じることでしょう)。

ここではいくつか例を挙げると、

  • 『 税務メリットを取るために無理やりキャッシュを使おうとしていませんか?』→無駄遣いで税金を安くしても意味がありません)
  • 『 委託しようとしている外注先は貴社の事業を理解できていますか?』→税金や労務だけでなく、事業を進めるにあたって必要となる知識や経験を持っていないとアドバイスも定型的な内容に留まり、正しくその会社にフィットするものにはなりません 。
  • 『アドバイスをしてくれている外注先は、自分達自身で専門家業務以外の事業をした経験を持っているのでしょうか?』→仮に税務や労務に専門性があったとしても、一般論としての知識が貴社の事業に役立つとは限りません。

税務の知識だけでもなく、人事・労務のサポートだけでもない、貴社の成長に繋がるサポートをできるような『事業を正しく理解できる』外注先を探しましょう。

4つの注意点

注意点1:『社員採用より安い!』を鵜呑みにしない

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アウトソーシング会社の宣伝でよくみられるのが『社員を一人採用するよりも外注した方が安い!』です。説明をきちんと聞くと、内容がまったくもって代行会社独自の計算にもとづく主張や論理であって、会社にとっては実際に費用削減につながらない事例なども多く発生しています。(そのため、マルナゲカンリも安易にこれをキャッチフレーズとして使わず、丁寧に内訳を説明するようにしております)。

具体的には、以下の点については、相手が出してきた数字だけでなく、自分達で実際に計算して検討すべきでしょう。

  • 社員を一人採用した場合に発生するコストはいくらか?
    • 給与、社会保険料、交通費、オフィスの場所代、教育費用、(採用コスト)等
  • 外注先に業務を依頼すると、その会社に払う費用以外にはコストが本当にかからないのか?かかるとしたらどの程度か?
    • 外注しない場合に自社社員がやる業務をすべて外注先が代替できるのか?出来ないとしたら、その(外注先以外の誰かがやるべき作業の)コストは計算に含まれているのか?
    • 税理士や社労士等の専門家に既に外注している先の仕事まで、その外注先が代替できるのか?
    • 自社社員がやること、専門家に依頼している業務まで、仮にその全てを代替できるとして、その上でトータル費用は安くなるのか?その安さは将来的にも続くのか(規模が大きくなると急に価格が上がったりしないか
    • 外注先の会社としての継続性に問題は無いか?安いとはいえ、高齢による引退などで事務所や会社をたたんでしまったりする懸念はないか?

こうした計算と検証なしに外部委託を進めると、例えば、元々業務を担っていた自社社員に対して、代わりにあてがう他の仕事がなかった場合等によって、結局外部委託した分だけコスト高になってしまう等のリスクもあります。

外部に切り出す部分を明確にした上で、自社社員には切り出さない部分を引き続き実施してもらい、空いた時間を他の仕事に回していく、等のように計画的に外注を進めることが重要です。
その上で、「全部(大半)の業務を委託してくれないと引き受けられませんよ(割高になりますよ)」という業者ではなく、柔軟に受託範囲を変えられるサービスを選ぶことが、現在の担当者と上手に役割分担してコストを下げる上では重要になってくるでしょう。

注意点2:初期費用と最低継続期間・解約料は忘れがち注意

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「しっかりした会社で月額代行費用も安い、この会社に任せよう!」と決める前に、必ずチェックすべき2項目は、①初期費用、②最低継続期間・解約料 、です。


初期費用については主に、会計システムにおける経理記帳、給与計算システムにおける従業員マスタ情報の管理等の、業務システム(ソフト)の初期導入設定作業にかかるものが多いです。
これらの作業を、DX費用と称して必要以上に高額な初期費用(100万円~)を請求しているような業者も見受けられますし、中にはIT導入補助金等を悪用したり、法的には問題なくともIT導入補助金を傘にして必要以上に高額なサービスを導入させようとする会社もあるようです。
ここはちょっと知識がないと難しいところではあるのですが、実際に作業にかかる工数を踏まえた適切な費用になっているかには注意してください。おススメする方法としては、少なくとも2~3社に見積もりをとって初期費用を比較してみることです。

次に最低継続期間・解約料ですが、1年以内に解約した場合は解約後の残期間分の費用を解約料として払わなければいけない等、実質的にその期間の契約を必須とされているような契約が多く存在します。

初期費用をきちんと請求している場合、高額な解約料が設定されていることはないはずなのですが、初期システム導入などにはそれなりの工数がかかるため、もしそれがゼロ円だった場合は、どこかが割高になっていて、そのコストが含まれていると考えた方がよいでしょう。
最悪なのは初期費用がそれなりの金額になっている上に、最低継続期間・解約料が存在する場合です。こういった事態を避けるためにも、やはり相見積もりは必須といえるでしょう。

人と人、会社と会社ですので、スタートした後で「やはり相性が悪い・・」といったことは当然ありますが、いざ止めたいと思っても「高い初期費用を払ってしまったのでそう簡単には変えづらい・・」となったり、「最低継続期間の存在から止められない・・」といったことにならないよう契約書の内容はきちんと確認しましょう。

注意点3:オプション料金と工数制限で思わぬ合計料金が多発

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アウトソーシング会社で一番トラブルになりやすいのがオプション料金と工数制限の部分です。ホームページはおろか、サービスメニューにもきちんと記載されていない場合が多く後からこの部分の説明を受けてトラブルになる会社がとても多いように見えますのでご注意ください。

そもそもオプション料金とはアウトソーシング代行料における追加料金のことです。定価として提示した金額の他に「〇〇といった業務をやるなら追加で〇万円かかりますよ」といったような内容です。

知っておきたい内容として、オプション料金があること自体は問題ではなく、むしろその方が安心なのです。
仮に、何もオプション料金が設定されていない固定料金が全ての会社に適用される場合、作業が多くて大変な会社もそうでない会社も一律価格ということになりますから、一部の会社はお金を払いすぎて割を食ってしまっている、ともいえるでしょう。

問題は、『オプション料金の範囲が合理的か?』『オプション料金が基本料金と比較して高くないか?』の部分です。

オプション料金の例としては、「領収書等のスキャン費用」、「クラウドシステムと連携できない銀行やクレジットカードの明細データの記帳処理」等があります。こういった内容であれば根拠は合理的なので、金額さえ高額でなければ問題ないでしょう。

良くない例としては、色々な部分でほぼ強制的にオプション料金がかかってしまい、「なんだ、結局、基本料金だけで済まないじゃないか。ほぼ全ての会社でオプション料金がかかることが前提になってるよね」といった場合です。
月額基本料金以外にどんな費用が掛かりうるのか、その費用を含めると結局合計でいくらになるのか?は必ず確認したうえで契約するようにしましょう。
船に乗りかかった後で乗船料金が高額だと知っても、やり直す手間も考えるとなかなか後からは引き下がれなくなってしまうものです。

また、『月に30時間まで20万円』等、工数に応じて金額を決めるタイプの契約もありますが、30時間を超えたら当然超過料金を請求されます。こうした『1時間あたり〇円』といった料金が青天井になるアウトソーシングは、作業が終わるまでいくらかかるのか不明な部分が圧倒的にトラブルの原因になりやすいです。

「10時間で出来るところまで入力を頼むよ」といったように依頼を出来る作業であればオンラインアシスタントは使い勝手が良いですが、「終わらせるところまでやって欲しい」という仕事の場合だと高額になるリスクがあります。

また、『月最低10時間パック~』となっている代行業者も多いので「10時間もかかっていないのに固定費で10万円払い続けている」等の不満が生じることも多いようです。中には、『余った時間は1か月に限って翌月繰り越しOK』という外注業者もありますが、「もったいないから無理して仕事をつくってお願いした」という話も聞きます。

とにかく不満の原因になりやすいオプション料金と工数制限。外注をする前にしっかりと把握したうえで契約をすべきですが、難しい場合は2~3社に相見積もりをとるのが無難といえます。「なんでこんなに安いのだろう?」と思った時点で、必ずその根拠を聞くようにしましょう。オプション料金が隠れていたり、「〇〇までしかできません」といった条件が潜んでいる可能性があります。

注意点4:「何でも出来ます!」と専門能力レベルの関係とは

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「(事務でも経理でも労務でも)何でもできます!」をアピールしているアウトソーシング業者が昨今増えていますが、実際にフタを開けてみると実態は全然違ったという話も増えています。
他方で専門家については自分の専門領域以外も「できます!」と宣伝することはないものの、自分達が依頼したい領域に関しては「得意領域かそうでないか?」を見極めることが最も重要です。

まず税理士・社労士・弁護士等の専門家ではないアウトソーシング会社では、専門性が担保されない分、幅広に業務を広げていることをウリにしています。そもそも多くのこうしたリモートアシスタント、オンラインアシスタントと呼ばれる業者や記帳代行会社の基本は『広く・浅く』サービスメニューを広げていることが多いようです。

また、他でも述べましたが、士業業務とよばれる税務申告や労務の届出のような業務は、日本の法律によって無資格者が実施することを認めていないため、アウトソーシング会社には出来ないのです。
ただし、それを前面に出してしまう訳にもいかないので、「士業を別途紹介するので(何でもできます)」といった建付けにしているか、そもそも「(幅広く出来るとは言ったものの)そこは出来ません」と除外するパターンが大半です。

有資格者が存在しない小規模の記帳・経理代行会社などですと、個々の業務が中途半端になっていたり、単純な業務しか出来なかったりと、『何でもできると』は程遠いサービスを提供しているケースも見受けられます。

次に、実際に税理士であれば税務のことは大半ができるでしょうし、社労士であれば労務のこと、弁護士であれば法務のことは出来るのは当然です。
当然ながら士業には得意分野と不得意分野があります。例えば「経営アドバイスができます」、「社長に寄り添って」などどアピールしている場合、一度も事務所経営以外をやったことがなければ、まともに営業活動さえやったことのない専門家は星の数ほどいます。
また、税理士だから全ての税金に詳しいわけではなく、税法の幅や深さは到底1人の税理士が全部マスターできる量ではないので、「消費税は強いけど相続税はからっきしな税理士」というのはまったく珍しい存在ではありません。

営業マンの『何でもできる』という耳障りの良い響きに惑わされず、『本当に何でもできるのか?』は、とことん質問して追求しましょう。常識的に考えて『何でもできる』ことの方が珍しいのであって、『逆に何が出来ないのですか?』『何が苦手なのですか?』という質問に答えられないことの方が危険が大きいと考えます。