安い社労士の探し方|顧問料金・スポット料金の相場と失敗しない比較ポイント3選
社会保険労務士(社労士)への依頼を検討している中小企業の経営者様や個人事業主様にとって、費用は重要な検討項目の一つではないでしょうか。本記事では、コストを抑えつつも自社にとって最適な社労士を見つけるための具体的な方法を詳しく解説します。
単に「料金が安い」というだけでなく、「サービスの質」とのバランスをどのように見極めるかという点に焦点を当て、社労士の料金相場、賢い探し方、そして失敗しないための比較ポイントを網羅的にご紹介します。この記事を読めば、貴社にぴったりの信頼できるパートナーを見つける第一歩を踏み出せるでしょう。
なぜ「安い社労士」を探す企業が増えているのか?
近年、多くの中小企業やスタートアップが「安い社労士」を探す傾向にあります。その背景には、法改正の頻繁な実施や労務管理の複雑化が挙げられます。働き方改革関連法の施行や電子申請の義務化など、企業が対応すべき法規制は年々増加しており、専門知識なしに適切に労務管理を行うことは困難になっています。これにより、専門家である社労士のサポートが不可欠な時代になったと言えるでしょう。
一方で、限られた経営資源の中で本業に注力したいと考える経営者は少なくありません。特に中小企業やスタートアップでは、人事・労務部門を専任で置くことが難しいため、コストパフォーマンスの高い外部委託先として社労士が注目されています。コストを抑えながらも、専門的な知見を活用して労務リスクを回避し、従業員が安心して働ける環境を整備したいというニーズが高まっているのです。
さらに、近年ではオンライン完結型のサービスや特定の業務に特化した社労士事務所が増加しています。これにより、事務所の運営コストが削減され、その分を顧問料の低価格化に還元することが可能になりました。地理的な制約も減り、全国から質の高いサービスを低価格で選べる選択肢が広がったことも、「安い社労士」を探す企業が増えている大きな要因となっています。
社労士の料金相場はいくら?顧問契約とスポット契約の違い
社労士への依頼を検討する際、料金体系には大きく分けて「顧問契約」と「スポット契約」の2種類があります。この2つの契約形態は、企業の状況やニーズによって最適な選択が異なります。
顧問契約は、継続的な労務相談や社会保険・労働保険の手続き代行を必要とする企業に適しています。従業員の入退社が頻繁に発生する、法改正への対応を常に行いたい、日常的に労務に関する相談をしたいといった場合に、月額固定料金で継続的なサポートを受けられる点が大きなメリットです。定期的な訪問やオンラインでの面談を通じて、企業の人事労務に関するパートナーとして機能します。
一方、スポット契約は、特定の業務のみを単発で依頼したい場合に活用されます。例えば、会社の設立に伴う社会保険の新規適用手続き、就業規則の作成や変更、特定の助成金申請、あるいは一時的な従業員とのトラブル対応など、特定の時期にのみ発生する業務を依頼する際に有効です。顧問契約と異なり、必要な時に必要な業務だけを依頼するため、月々の固定費を抑えたい企業や、依頼したい業務が明確に決まっている企業に向いています。ただし、複数の業務を依頼したり、継続的に相談が発生したりする場合には、顧問契約と比較して総額が高くなる可能性もあります。
企業は自社の従業員規模、労務トラブルの発生頻度、依頼したい業務の性質などを考慮し、どちらの契約形態が費用対効果が高いかを慎重に判断することが重要です。
【従業員数別】顧問契約の料金相場
社労士との顧問契約における料金は、主に企業の従業員数によって変動するケースが多く見られます。一般的な料金相場は以下の表のようになっていますが、あくまで目安であり、事務所の方針や提供されるサービス内容によって価格は大きく異なります。
従業員数月額顧問料の目安
- 〜5名:15,000円〜25,000円
- 5〜9名:25,000円〜35,000円
- 10〜19名:35,000円〜50,000円
- 20〜29名:50,000円〜70,000円
この顧問料には、通常、日常的な労務相談(電話、メール、チャットなど)や、社会保険・労働保険の各種手続き代行(従業員の入社・退社時の手続き、育児休業・介護休業の手続きなど)が含まれていることが多いです。しかし、給与計算、年末調整、就業規則の作成・変更、助成金申請、人事制度構築などは、含まれずにオプション業務として別途料金が発生するケースが一般的です。例えば、給与計算は1名あたり数百円から数千円、就業規則の作成は数万円から数十万円、助成金申請は受給額の10〜20%が相場とされています。契約時には、基本顧問料でどこまでのサービスが受けられるのか、オプション業務にはどれくらいの費用がかかるのかを事前にしっかりと確認することが重要です。
【業務別】スポット契約の料金相場
特定の業務のみを社労士に依頼するスポット契約では、業務内容ごとに料金が設定されています。主な業務の料金相場は以下の通りです。
- 給与計算(1名あたり):月額500円〜2,000円(基本料金別途、従業員数による変動あり)
- 就業規則の作成・変更:100,000円〜300,000円(規定の複雑さやボリュームによる)
- 社会保険の新規適用手続き:50,000円〜150,000円(法人設立に伴うものなど)
- 助成金申請:助成金受給額の10%〜20%(成功報酬制、着手金無料の場合も多い)
- 労働保険の年度更新・社会保険の算定基礎届:30,000円〜80,000円(従業員数による変動あり)
- 労働者名簿・賃金台帳の作成:20,000円〜50,000円
これらの料金は、企業の規模(従業員数)、依頼する業務の複雑さ、緊急性、社労士事務所の所在地などによって変動します。例えば、従業員数が少ない企業であれば給与計算の単価が安くなる傾向があり、逆に複雑な制度設計が必要な就業規則の作成は高額になることがあります。また、顧問契約とセットでスポット業務を依頼する場合、割引が適用されるケースもあります。見積もりを取る際は、上記の相場を参考にしつつ、具体的な業務範囲や追加料金の有無を明確に確認することが、予期せぬ出費を避けるために非常に重要です。これにより、自社のニーズに合わせた最適なコスト感を把握し、費用対効果の高い依頼が可能になります。
安い社労士の探し方3つの方法
社労士費用は、企業の規模や依頼する業務内容によって大きく変動します。限られた予算の中で最適なパートナーを見つけるためには、単に「安い」というだけでなく、自社の状況に合った賢いアプローチが必要です。ここでは、コストを抑えつつも高品質なサービスを確保するための具体的な方法を3つご紹介します。これらの方法を活用することで、無駄な支出を削減し、費用対効果の高い労務管理を実現できます。
必要な業務だけを依頼する「スポット契約」を活用する
コスト削減を考える上で有効なのが、必要な業務だけを単発で依頼する「スポット契約」の活用です。特に、創業期の企業や従業員数が少ない中小企業、あるいは特定の労務課題(例:就業規則の新規作成、助成金申請、従業員の入社・退社手続き)を抱えている場合に、月額固定費が発生する顧問契約よりも経済的な選択肢となります。例えば、従業員の入社や退社が年に数回しかない場合や、法改正時の対応のみ社労士の専門知識を借りたいといったケースでは、必要な時だけ依頼することで費用を抑えることができます。
しかし、スポット契約が常に最適とは限りません。労務相談や手続きが頻繁に発生するようであれば、その都度依頼するよりも顧問契約を結んだ方が、トータルで見たときに割安になるケースもあります。顧問契約には、継続的な相談対応や法改正情報の提供、トラブル発生時の迅速なサポートといったメリットがあり、安定した労務管理には不可欠です。したがって、自社の労務管理の状況と頻度を考慮し、どちらの契約形態が費用対効果が高いかを慎重に判断することが重要です。
オンライン・クラウド対応の事務所を選ぶ
オンラインやクラウドサービスに特化した社労士事務所は、比較的安価な料金設定を実現している傾向があります。その大きな理由は、業務効率化によるコスト削減にあります。従来の社労士業務では、定期的な訪問や対面での打ち合わせが一般的でしたが、オンライン対応の事務所は、チャットツール、Web会議システム、メールなどを活用することで、移動にかかる時間や費用、人件費といった運営コストを大幅に削減しています。
また、これらの事務所は、クラウド勤怠管理システムや給与計算ソフトと積極的に連携しています。これにより、データ入力や処理の自動化が進み、業務にかかる工数を削減できるため、低価格でありながらも迅速かつ正確なサービス提供が可能になります。例えば、クラウドシステム経由で勤怠データを受け取り、そのまま給与計算に反映させることで、手作業によるミスを減らし、効率的な給与計算を実現しています。
オンライン・クラウド対応の事務所を選ぶメリットは、料金の安さだけではありません。地理的な制約が少ないため、全国どこからでも質の高いサービスを受けられる点も大きな魅力です。例えば、地方の中小企業でも、都市部の専門性の高い社労士に気軽に依頼できます。また、必要な時にいつでもオンラインで相談できる体制が整っているため、迅速な対応が期待でき、経営者としては本業に集中できる環境を整えやすくなるでしょう。
助成金申請に強い社労士に相談する
助成金申請に強みを持つ社労士に相談することも、実質的なコスト削減に繋がる有効な手段です。多くの助成金対応の社労士は、「着手金無料・成功報酬制」という料金体系を採用しています。これは、実際に助成金が支給された場合にのみ、その一部を報酬として支払う仕組みであるため、企業側は事前に大きな費用を負担するリスクを負うことなく申請を進められます。例えば、雇用関係の助成金や特定の設備導入に関する助成金など、種類が多岐にわたる助成金の中から、自社に最適なものを選定し、申請手続きを代行してもらえます。
社労士に依頼する最大のメリットは、助成金の受給可能性が格段に高まる点です。助成金制度は非常に複雑で、申請書類の作成や要件の確認には専門知識が不可欠です。社労士は最新の助成金情報を常に把握しており、企業の状況に合わせて最も受給しやすい助成金を選定し、適切な手続きを行うことで、自社で申請するよりも確実に受給に結びつけられます。これにより、企業は返済不要な資金を獲得でき、経営の安定化や事業拡大に役立てることが可能です。
さらに、多くの社労士事務所では、顧問契約とセットで助成金申請を依頼すると、成功報酬の割引を受けられるケースもあります。顧問契約により日頃から企業の労務状況を把握しているため、新たな助成金情報が出た際に迅速に提案してもらえたり、申請準備がスムーズに進んだりする利点があります。助成金を活用することは、労務管理のプロである社労士の費用を実質的に助成金で賄う、という費用対効果の高いアプローチとも言えるでしょう。
失敗しない!安い社労士を比較する3つの重要ポイント
コスト意識の高い中小企業経営者にとって、社労士を選ぶ際に「安さ」は重要な要素です。しかし、単に料金の安さだけで判断すると、かえって後悔することになりかねません。安い費用で信頼できる社労士を見つけるためには、価格とサービスの質を総合的に見極める必要があります。このセクションでは、「安物買いの銭失い」を避け、費用対効果の高いパートナーを見つけるための3つの比較ポイント、すなわち「料金体系の明確さ」「サービス内容の適合性」「コミュニケーションの質」について詳しく解説していきます。
ポイント1:料金体系の明確さ(追加料金の有無)
料金の安さに魅力を感じて契約したものの、蓋を開けてみれば追加料金が次々と発生し、結果的に予算を大幅にオーバーしてしまったという失敗談は少なくありません。特に、月額の顧問料が極端に安く設定されている事務所の場合、基本料金に含まれる業務範囲が非常に限定的で、少しでもイレギュラーな対応や、本来顧問契約でカバーされるべき業務を追加で依頼するたびに、別途費用が発生するケースが見受けられます。
このような事態を避けるためにも、見積もりや契約書の内容は細部まで徹底的に確認しましょう。「顧問料にどこまでの業務が含まれるのか」「給与計算や年末調整、社会保険の算定基礎届・労働保険の年度更新は別料金になるのか」「電話やメールでの相談回数や時間に制限はあるか」「法改正への対応や突発的な労務トラブルに関する相談には追加費用がかかるのか」といった具体的な項目について、疑問点は契約前に全て解消しておくことが肝心です。
また、多くの社労士事務所では、ウェブサイトに料金表を公開しています。料金が明確に提示されているかどうかは、その事務所の透明性を判断する一つの基準にもなります。不明瞭な部分が多い、あるいは質問への回答が曖昧な事務所は、後々のトラブルに繋がりやすい傾向があるため注意が必要です。
ポイント2:自社の課題に合ったサービス内容か
社労士事務所と一言で言っても、それぞれ得意とする分野や専門性が異なります。例えば、「従業員10名以下の中小企業支援に特化している事務所」「IT業界の複雑な労務管理に精通している事務所」「女性の雇用や育児休業に関する問題解決に強みを持つ事務所」「助成金申請の実績が豊富で、最新の助成金情報を常に提供できる事務所」など、多種多様な特色があります。自社の業種や事業フェーズ、現在抱えている具体的な労務課題に合った専門性を持つ社労士を選ぶことが、費用対効果を最大化するための重要な鍵となります。
例えば、「とにかく日々の社会保険手続きを正確に代行してほしい」というニーズがあるのか、それとも「従業員のモチベーション向上につながる人事評価制度の構築について相談したい」のか、「労使トラブルを未然に防ぐためのアドバイスや具体的な対策が欲しい」のかによって、選ぶべき社労士のタイプは変わってきます。自社のニーズを明確にし、その課題解決に実績や知見を持つ社労士を選ぶことで、限られたコストで最大の効果を得られるようになります。
無料相談の機会を活用し、自社の状況を具体的に伝えることで、その社労士が自社の課題に対してどれだけ深く理解し、的確な提案をしてくれるかを見極めるようにしましょう。
ポイント3:コミュニケーションの取りやすさと対応速度
社労士との連携において、円滑なコミュニケーションは業務の成否を左右するほど重要です。特に中小企業の場合、経営者自身が社労士と直接やり取りするケースが多く、担当者との相性や、不明点があった際に気軽に質問できる環境があるかどうかは、日々の業務の進捗に大きく影響します。
例えば、「質問への回答が専門用語ばかりで分かりにくい」「レスポンスが遅く、必要な手続きが滞ってしまう」「電話がつながりにくく、緊急時の相談ができない」といった状況は、ストレスを生むだけでなく、手続きの遅延や従業員の不満、さらには法律違反に繋がるリスクもはらんでいます。無料相談や問い合わせの段階で、メールやチャットでの返信速度、説明の分かりやすさ、連絡手段(電話、メール、チャットツール、Web会議システムなど)が自社の希望と合っているかなどを確認し、コミュニケーションの取りやすさを見極めることが大切です。
迅速かつ的確なアドバイスが得られる社労士は、労務トラブルの予防や解決、法改正へのスムーズな対応を可能にし、結果的に企業の安定的な成長を強力にサポートしてくれる存在となるでしょう。
注意!「安いだけ」で社労士を選ぶ3つのリスク
コストを抑えたいという思いから、料金の安さだけを基準に社労士を選んでしまうと、予期せぬリスクに直面する可能性があります。企業の信頼が失墜したり、法的な問題に発展したり、結果的に余計なコストがかさんでしまったりするケースも少なくありません。ここでは、安易な選択が招く「サービスの品質低下」「対応範囲の狭さ」「結果的な割高感」という3つのリスクについて解説しますので、注意深く検討するようにしましょう。
リスク1:サービス品質が低く、手続きミスや遅延が発生する
極端に安い料金の裏には、サービス品質が十分に確保されていない社労士事務所がある可能性があります。たとえば、経験の浅いスタッフが対応にあたっていたり、一人の社労士が多くのクライアントを担当しすぎていたりすると、業務の質が低下してしまうことが考えられます。
その結果、社会保険の手続き漏れや給与計算のミス、助成金の申請期限超過といった重大なトラブルが発生するリスクが高まります。このような手続き上のミスや遅延は、従業員からの不信感を招くだけでなく、行政からの指導の対象となる場合もあります。最悪の場合、企業の信頼を大きく損なう問題に発展しかねません。安さだけを追求するのではなく、業務の正確性や安定性が確保されているかどうかが、社労士を選ぶ上で最も重要な視点と言えるでしょう。
リスク2:対応範囲が狭く、複雑な労務相談に対応できない
格安の顧問プランを提供している社労士事務所の多くは、基本的な手続き代行にサービス範囲を限定しているケースが少なくありません。そのため、定型的な業務はカバーできても、いざ複雑な労務問題が発生した際に、十分なサポートを受けられない可能性があります。
例えば、従業員とのトラブル、ハラスメント問題、メンタルヘルス対応、人事評価制度の構築など、個別性が高く専門的な知見が求められる相談には対応してもらえないかもしれません。このような状況で「それは契約範囲外です」と断られてしまうと、結局は別の専門家を探す手間と費用が発生し、二度手間になってしまいます。自社が将来的に直面しうる労務課題を想定し、どこまで相談に乗ってもらえるのかを契約前にしっかりと確認することが非常に重要です。
リスク3:追加料金がかさみ、結果的に割高になる
「基本料金は安い」という謳い文句に惹かれて契約したものの、実際には追加料金がかさんでしまい、結果的に割高になってしまうケースも珍しくありません。たとえば、月額1万円の基本料金で顧問契約を結んだとしても、電話相談が月に1回までと制限されていたり、社会保険の手続き1件ごとに別途料金が発生したりする場合があります。
また、就業規則の変更や助成金申請、労働基準監督署への対応など、イレギュラーな業務が発生するたびに追加費用が発生し、気付けば一般的な料金の社労士に依頼するよりもトータルコストが高額になっていたという話も耳にします。見かけの安さだけに惑わされず、自社が必要とするサービスを全て含めた総額で、複数の社労士事務所を比較検討することが不可欠です。契約前に、何が基本料金に含まれ、何に追加料金が発生するのかを詳細に確認し、全体像を把握するようにしましょう。
【タイプ別】安い料金で依頼できる社労士事務所の特徴
社労士への依頼を検討されている方の中には、「とにかくコストを抑えたい」という明確なニーズを持つ方もいらっしゃるでしょう。一言で「安い社労士」と言っても、その安さの理由や提供されるサービス内容は事務所によって大きく異なります。ここでは、安い料金でサービスを提供している社労士事務所を、その特徴や強みによって大きく2つのタイプに分類し、それぞれの事務所がどのようなニーズを持つ企業に向いているのかを詳しくご紹介します。
この分類を参考にすることで、単に料金の安さだけでなく、ご自身の会社の状況や依頼したい業務内容に最も適した社労士事務所を見つける手助けとなるでしょう。コストを抑えながらも、必要なサポートを確実に受けられる、そんな最適なパートナー選びの一助となれば幸いです。
スポット契約・手続き代行に強い社労士事務所
特定の業務に特化し、スポット契約や手続き代行をメインに扱っている社労士事務所は、一件あたりの料金を低く設定していることが多いです。これは、業務プロセスを徹底的にシステム化・効率化し、定型業務においては人の手を介する部分を最小限に抑えることでコスト削減を実現しているためです。
例えば、社会保険の新規適用手続き、労働保険の年度更新、入社・退社の手続き、就業規則作成といった単発で発生する業務を低コストで依頼したい企業にとって、このような事務所は非常に魅力的な選択肢となります。特に、創業間もない企業や従業員数が少ない企業、あるいは特定の時期にのみ労務業務が発生する企業では、月額の顧問料を支払うよりも、必要な時に必要な業務だけを依頼する方が費用対効果が高いと言えるでしょう。
また、これらの事務所はオンラインでのやり取りに特化していることが多く、地理的な制約なく全国の企業からの依頼に対応している点も特徴です。チャットツールやWeb会議システムを活用することで、スピーディーかつ効率的なサービス提供が可能となり、結果として低価格でありながらも迅速な対応が期待できます。例えば、「入社手続きを〇〇円で」「育児休業給付金申請を〇〇円で」といった具体的なサービスメニューをウェブサイトで公開している事務所も多く、費用感を事前に把握しやすいのもメリットです。
格安の顧問契約プランがある社労士事務所
月額1万円台といった格安な顧問契約プランを提供している社労士事務所も存在します。これらのプランは、多くの場合、サービス内容を基本的な手続き代行や、チャット・メールでの簡単な労務相談に限定することで、低価格を実現しています。面談回数を減らしたり、電話での相談時間を短く設定したりすることで、事務所側の運営コストを抑えているケースが多いです。
このような格安顧問契約は、創業間もない企業や従業員数が少ない企業、あるいは複雑な労務問題がほとんど発生しない企業にとって、最低限の安心を得るための「お守り」として非常に有効です。法改正情報の提供や定型的な手続き代行を任せることで、経営者は本業に集中できるというメリットがあります。また、社会保険や労働保険に関する基本的な疑問点を気軽に相談できる窓口があるだけでも、企業にとっては大きな価値となるでしょう。
ただし、サービス範囲が限定的である点は契約前に十分な確認が必要です。「どこまでの相談が顧問料に含まれるのか」「給与計算は別料金か」「労使トラブル発生時の対応は範囲内か」といった点を事前に明確にしておくことが重要です。見かけの安さだけでなく、自社のニーズとプラン内容が合致しているかを見極めることで、後々の追加料金やサービス不足による不満を防ぐことができます。
社労士への依頼から契約までの簡単4ステップ
社労士への依頼を検討されている経営者の方々にとって、何から手をつけて良いのか迷うことは少なくありません。ここでは、お問い合わせから実際に契約を結ぶまでのプロセスを、わかりやすい4つのステップでご紹介します。この手順を理解することで、安心して信頼できる社労士を見つけ、スムーズに労務管理のパートナーシップを築くことができるでしょう。
ステップ1:複数の社労士事務所に問い合わせる
最適な社労士を見つけるためには、まず複数の事務所に問い合わせて比較検討することが非常に重要です。1社だけの情報では、料金体系やサービス内容、担当者の対応などを客観的に評価することが難しくなります。最低でも2〜3社の事務所に連絡を取り、自社の状況(業種、従業員数、特に依頼したい業務内容など)を簡潔に伝え、無料相談のアポイントメントを取りましょう。
この段階で、各事務所のウェブサイトに料金体系が明確に記載されているか、問い合わせへの返信が迅速かつ丁寧であるかといった点も、比較検討する上での重要なチェックポイントとなります。透明性の高い料金表示や迅速な対応は、その後の良好なコミュニケーションに繋がる第一歩となるからです。
ステップ2:無料相談で課題や要望を伝える
多くの社労士事務所が提供している無料相談は、自社に最適なパートナーを見つけるための貴重な機会です。この無料相談では、現在抱えている労務上の課題、社労士に具体的に依頼したい業務、そして予算感を遠慮なく伝えるようにしましょう。これにより、社労士側も自社の状況を正確に把握し、より的確な提案をしてくれます。
また、相談時の社労士の対応を注意深く観察することも大切です。専門性はもちろんのこと、人柄、こちらの話に耳を傾ける姿勢、そしてコミュニケーションの取りやすさなどは、長期的な関係を築く上で欠かせない要素です。相談をより有意義なものにするためには、事前に質問事項をリストアップしておくなど、準備をして臨むことをおすすめします。
ステップ3:見積もりとサービス内容を比較検討する
複数の事務所から見積書とサービス提案を受け取ったら、単に金額の安さだけで判断するのではなく、内容を多角的に比較検討することが重要です。まず、「料金に含まれるサービス範囲」を細かく確認し、どこまでが基本料金でカバーされるのかを把握しましょう。次に、「追加料金の有無」も重要なチェックポイントです。給与計算や年末調整、法改正対応などが別途費用となるのか、事前に確認しておくことで、後々の予期せぬ出費を防げます。
さらに、自社の抱える課題に対して、各社がどのような具体的な解決策を提案しているかという視点も忘れてはなりません。以前ご紹介した「失敗しない社労士選びの比較ポイント」を参考にしながら、自社にとって最もコストパフォーマンスが高く、かつ信頼できる事務所を見極めるようにしましょう。
ステップ4:契約を締結する
依頼する社労士事務所が決まったら、いよいよ契約締結のステップです。契約書にサインする前に、記載されているサービス内容、料金体系、契約期間、そして解約条件といった重要事項を必ず最終確認してください。不明な点や疑問に感じる部分があれば、必ず契約前に質問し、明確な回答を得ることが不可欠です。
近年では、電子契約に対応している社労士事務所も増えており、よりスムーズな契約締結が可能になっています。契約が締結された後には、社労士から業務開始に必要な書類の準備や情報の共有に関する案内がありますので、それに従って迅速に対応を進めましょう。これにより、速やかに労務管理のサポート体制を整えることができます。
安い社労士に関するよくある質問
安い料金で社労士を探していると、さまざまな疑問が浮かぶことがあります。顧問料は本当に0円で大丈夫なのか、特定の業務だけを安く依頼できるのか、契約後に料金が上がることはないのか、といった不安は少なくありません。ここでは、こうした「安い社労士」に関するよくある質問について、具体的な回答とともに解説していきます。皆様が抱える疑問を解消し、安心して社労士選びを進められるよう、詳しく見ていきましょう。
Q. 顧問料0円の社労士は本当に大丈夫ですか?
「顧問料0円」や「実質0円」を謳う社労士事務所は確かに存在しますが、多くの場合、その裏には特定のビジネスモデルがあります。これらは完全にサービスが無料というわけではなく、助成金申請代行や給与計算ソフトの導入支援、または他の手続き業務など、別のサービスで収益を上げる仕組みになっていることがほとんどです。
例えば、助成金申請に特化し、成功報酬制で収入を得る事務所や、特定のクラウド勤怠管理システムや給与計算ソフトの導入を条件に顧問料を無料とする事務所などがあります。顧問料が無料だからといって、必ずしもお得とは限りません。自社にとって、それらの付随サービスが本当に必要なものなのか、トータルで見たときにコストメリットがあるのかを冷静に判断することが重要ですす。完全に無料のサービスは基本的に存在しないため、契約内容を詳細に確認し、何に費用が発生するのかを明確にしておくことが不可欠です。
Q. 給与計算だけを安くお願いすることはできますか?
はい、給与計算だけを社労士に依頼することは可能です。給与計算は、社労士業務の中でもスポット契約や業務委託で依頼しやすい代表的な業務の一つと言えます。特に、従業員数が少ない企業や、給与計算の専門知識を持つ担当者がいない企業にとっては、ミスなく正確に処理してもらえるため非常に有効な選択肢です。
給与計算の料金体系は、「基本料金+従業員1名あたりの単価」で設定されていることが一般的です。例えば、基本料金が月額5,000円からで、従業員1名あたり500円からという事務所が多く見られます。クラウド型の給与計算サービスと連携している社労士事務所に依頼すると、データのやり取りがスムーズになり、より安価で効率的に依頼できるケースも少なくありません。自社の従業員数や給与体系の複雑さによって費用は変動するため、複数の事務所から見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。
Q. 契約後に料金が上がることはありますか?
社労士との顧問契約後に料金が上がる可能性はいくつかあります。主なケースとして考えられるのは、「従業員数が増加した場合」と「契約プランに含まれない追加業務を依頼した場合」の2つです。
多くの社労士事務所の顧問契約は、従業員数に基づいて月額料金が設定されています。そのため、従業員数が一定の区分を超えて増加した場合、契約内容に基づき料金が改定されるのが一般的です。これは契約時に料金表などで明確に示されていることが多いでしょう。また、当初の契約プランには含まれていない業務、例えば就業規則の新規作成や大幅な改訂、複雑な労務トラブルへの対応、特別な助成金申請などを追加で依頼する場合には、別途費用が発生します。
意図しない料金アップを避けるためには、契約時に料金改定の条件(特に従業員数の変動に対する料金体系)や、追加業務の料金体系、どこまでの業務が基本料金に含まれているのかを明確に確認しておくことが非常に重要です。疑問点があれば、契約前に納得がいくまで社労士に質問し、書面で確認するようにしましょう。
まとめ:自社に合った信頼できる安い社労士を見つけよう
社労士探しにおいて、「安い」という基準は非常に魅力的です。しかし、本当に重要なのは、単に費用を抑えることだけではありません。価格とサービスの質のバランスをいかに見極めるかが、貴社の事業を成長させる信頼できるパートナーを見つける鍵となります。
本記事でご紹介したように、まずは社労士の顧問料金やスポット料金の相場を把握することが第一歩です。その上で、自社の状況に合わせた賢い探し方として、「必要な業務だけを依頼するスポット契約の活用」、「オンラインやクラウドに特化した事務所の選択」、「助成金申請に強い社労士への相談」といったアプローチを検討してみてください。
そして、何よりも失敗しないためには、「料金体系の明確さ」「自社の課題に合ったサービス内容」「コミュニケーションの取りやすさ」という3つの比較ポイントを念頭に置きましょう。見かけの安さだけに囚われず、将来的な追加費用やサービス品質のリスクを考慮した上で、複数の社労士事務所から見積もりを取り、無料相談を通じてじっくりと比較検討してください。実際に担当者と話すことで、専門性はもちろん、人柄やレスポンスの速さなども見えてきます。
最適な社労士パートナーは、貴社の事業規模や業種、抱える課題によって異なります。価格競争が進む現代において、安くても質の高いサービスを提供する社労士は確かに存在します。しかし、それは「安かろう悪かろう」ではない、真に価値のあるパートナーであるべきです。この記事が、貴社にぴったりの、信頼できる「安い社労士」を見つけるための一助となれば幸いです。ぜひ、今日から一歩踏み出し、複数の社労士と積極的にコンタクトを取ってみましょう。











